Azure広場基礎から資格まで、Azureの学びをつなぐ記事を読む
← 記事一覧

Azureの基礎と資格

Azureのタグとリソースグループの違い|小さなチームの整理例で学ぶ

Azureのタグは分類用のラベル、リソースグループは管理のまとまり。架空のチームの一覧から、タグの付く場所、権限、自動継承、コストデータとの違いを読み取ります。アカウント不要の練習付き。

Azureのタグとリソースグループの違い|小さなチームの整理例で学ぶの記事タイトル画像
この記事の内容

リソースグループは関連するリソースを管理するまとまり、タグは用途などを書き添える分類用のラベルです。 同じタグが付いていても、同じグループに所属することにはなりません。

小さなチームが「試作用と保管用は分けたい。でも、同じ企画に使うものを見分けたい」と考える場面で整理しましょう。この記事は一覧を読む練習なので、Azureアカウントや実際のリソースは不要です。

管理するまとまりと、探すための目印を分ける

架空の「atelier」チームが、勉強会の申込ページを試作しています。試作後に片付けるものと、次回にも残す資料は別々に管理したいとします。

  • 試作用グループ:申込ページのWebアプリとテスト資料用ストレージ
  • 保管用グループ:次回にも使う資料用ストレージ

一緒に作成・更新・終了するかを考えてグループを分け、そのうえで「どの企画のものか」をタグで示します。タグなら、グループを分けたまま共通の目印を付けられます。Microsoft Learnの管理と分類の説明

架空の分類例。試作用グループには申込ページのWebアプリとテスト資料用ストレージ、保管用グループには継続利用の資料用ストレージがある。三つのリソースそれぞれにProject=workshopを付けても、所属グループは変わらない。実際の構成図、自動継承、アクセス権の付与を示す図ではない。
タグは三つのリソースそれぞれに付けた例です。共通のタグがあっても、所属グループは変わりません。

図は分類の説明に必要な部品だけを描いたものです。アプリを動かす全構成や、実際に検証した環境ではありません。

タグは「項目名」と「値」の組で読む

タグはキーと値の組です。たとえば、Projectが項目名、workshopが値なら、「企画はworkshop」と読めます。タグの公式説明

今回は、リソースそれぞれに次のラベルを付けたと仮定します。名称と値はすべて架空です。

リソース 所属グループ Project Team Purpose
申込ページのWebアプリ 試作用 workshop atelier prototype
テスト資料用ストレージ 試作用 workshop atelier prototype
継続利用の資料用ストレージ 保管用 workshop atelier reference

この一覧からProjectがworkshopのものを拾えば三つ、Purposeがprototypeのものを拾えば二つです。所属を移さなくても、質問に応じて違う組み合わせを見つけられます。

項目は増やしすぎず、最初は「何のために見分けたいか」を一つ決めると考えやすくなります。ここでは企画、担当チーム、用途の三つにしました。これは学習用の提案で、すべての組織に必要な標準セットではありません。

値の大文字と小文字は区別されるので、workshopとWorkshopを混ぜないように、例では小文字にそろえています。項目名の操作上の扱いとは異なる点に注意しましょう。大文字・小文字の扱い

Teamタグだけでは、操作できる人は決まらない

Team=atelierは「担当をどう分類しているか」という情報です。それを書くだけで、atelierのメンバーに閲覧・変更権限が付くわけではありません。

Azureのリソースに誰がどの操作をできるかは、Azure RBACのロール割り当てなどで管理します。「分類に使う文字」と「アクセスを許可する設定」を分けて読みましょう。Azure RBACの役割

実際の環境では、タグを条件にしたポリシーや自動処理を別途用意することもあります。そのため「ラベルだから何を書き換えても影響がない」とも判断できません。本稿ではそうした設定は行いません。タグ向けポリシーの例

グループのタグは、配下のリソースへ自動で付かない

試作用グループにProject=workshopを付けた場合、それはまずグループ自身のタグです。配下のWebアプリやストレージが、そのタグを自動的に継承するわけではありません。 サブスクリプションに付けたタグも同様です。タグの継承に関する仕様

上の図と表は、三つのリソースそれぞれにタグがあると仮定しています。グループ名やグループのタグだけを見て、個々のリソースの値まで埋まっていると読まないことがポイントです。

Azure Policyには、グループなどのタグをリソースへ適用するための仕組みがあります。ただし、それは別途用意する設定です。対象や既存リソースへの対応を確認する必要があり、グループにタグを一つ付ければ準備完了という意味ではありません。タグを扱うポリシー定義

コストの「タグ継承」は、何に付くのかを見る

タグはコストの分類にも使われますが、タグがあるだけで、期待どおりの料金一覧が完成するとは限りません。

公式のタグ対応表には、次の二つが別々に載っています。

  • Supports tags:その種類のリソースがタグを持てるか
  • Tag in cost report:コストレポートへタグを渡すか

すべてのリソースの種類がタグに対応するわけではなく、この二列も同じ意味ではありません。実際に使う種類の行を確認します。

また、Cost Managementには「タグの継承」という機能があります。こちらの適用先は、リソース本体ではなく、子リソースの使用量レコードです。リソースのタグが増える話と混ぜないようにしましょう。

この機能は対応する課金アカウントの種類やスコープ、権限などに条件があります。ここでは有効化や料金データの確認は行わず、すべての契約・費用で同じ集計ができるとも判断しません。Cost Managementのタグ継承

タグには秘密の情報を書かない

タグは平文で保存され、コストレポートやログなどを通じて値が見える可能性があります。パスワード、秘密鍵、個人の機微な情報などを入れる場所にはしません。Microsoftのタグに関する警告

練習では、この記事のworkshop、atelier、prototypeのような架空の分類名で十分です。実在する顧客名や個人のメールアドレスを用意する必要はありません。

最後に、タグが付く場所を読み分けてみる

紙や手元のメモに、次の三つへの答えを書いてみてください。サインインやコマンドの実行は不要です。

  1. 上の一覧でProject=workshopのリソースは、すべて同じグループにある?
  2. 別の例で、グループにだけTeam=atelierが付いている。中のWebアプリにも同じタグがあると言える?
  3. Cost Managementで使用量レコードにタグが継承された。リソース本体にも付いたと言える?

一つ目の答えは「いいえ」です。 一覧では、試作用と保管用に分かれています。二つ目は、グループのタグだけでは判断できないため、リソース自身のタグを確認する必要があります。三つ目も、使用量レコードへの継承だけではリソース本体に付いたとは言えません。タグの適用先が異なるためです。

「何をまとめるのか」「どこにラベルが付いているのか」を分けて説明できれば、今回の目標は達成です。管理する入れ物から復習したい場合は、リソース・リソースグループ・サブスクリプションの違いへ。人のサインインと操作権限は、Entraテナントとサブスクリプションの整理で確かめられます。

出典を開く

← 記事一覧へ戻る